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胡椒餅(フージャオビン)が日本で人気 四ツ谷一餅堂・台湾老劉胡椒餅・価格・本場の歴史など

グルメ

約300℃に熱した壺型の窯。その内側の壁に、ゴマをまとった生地を手でぺたりと貼り付けていきます。数分後、香ばしく焼き上がったところを長いトングではがすと、中には黒胡椒が効いた肉あんとたっぷりのネギ。台湾の夜市で長年愛されてきた胡椒餅(フージャオビン)が、いま日本で人気を集めています。

東京・四ツ谷の専門店では週末の朝から台湾朝食を求める行列ができ、吉祥寺発の専門店は鎌倉、京都三条河原町、仙台へと新オープンを重ねています。「餅」という字から日本のおもちを想像すると、意外と違う食べ物なのも面白いところです。

この記事でわかることは次の4つです。

  • 胡椒餅の正体と、小籠包・肉まんとの違い
  • 福州から台湾へ渡ってきた意外なルーツ
  • 日本のブームを牽引する「四ツ谷一餅堂」「台湾老劉胡椒餅」の店舗と価格
  • やけどしない食べ方と、持ち帰り後の温め直しのコツ

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胡椒餅とは?窯の壁に貼って焼く台湾の名物

胡椒餅と同じように窯の内側の壁に生地を貼り付けて焼く様子
Photo by No name no last name on Pexels

胡椒餅は、胡椒・八角・花椒などのスパイスを混ぜた豚肉のあんとネギを小麦粉の生地で包み、表面にゴマをまぶして窯の内壁に貼り付けて焼く台湾の軽食です。中国語の「餅(ビン)」は小麦粉の生地を焼いたり蒸したりした食べ物全般を指し、日本のもち米のおもちとは別物です。

焼き上がりは、外側の皮がパリッと香ばしく、底の部分はカリカリ。かじると黒胡椒のピリッとした刺激とともに、豚肉の脂とネギの甘みを含んだ肉汁があふれ出します。窯焼きならではの香ばしさが最大の魅力で、ひとつで軽い食事になるほどのボリュームです。

小籠包・肉まんとの違い

項目 胡椒餅 小籠包 肉まん
加熱方法 窯の内壁で焼く 蒸す 蒸す
皮の食感 パリッと香ばしい 薄くつるん ふんわり厚め
味の決め手 黒胡椒とネギ スープ 甘めの具材
食べ方 手に持って食べる レンゲで食べる 手に持って食べる

同じ「肉汁があふれる」系でも、焼くか蒸すかで食べ心地がまったく違います。小籠包や肉まんが好きな人ほど、胡椒餅の香ばしさに驚くかもしれません。

ルーツは福州の「葱肉餅」 台北・饒河街の名店まで

胡椒餅の名店があることで知られる台北・饒河街観光夜市のにぎわい
Photo by Ehsan Haque on Pexels

実は胡椒餅のルーツは台湾ではなく、対岸の中国・福建省福州にあるとされています。福州には三、四百年の歴史を持つといわれる豚肉入りの焼き餅「葱肉餅(ツォンロウビン)」があり、これが台湾へ伝わったのが始まりです。

台湾では1980年代から広く食べられるようになり、当初は出身地にちなんで「福州餅」と呼ばれていました。ところが、あんに胡椒をたっぷり使うことから、いつしか発音の似た「胡椒餅」という名前で定着したと伝えられています。名前そのものが、味の特徴から生まれた言い換えというわけです。

台北で特に有名なのが、松山駅近くの饒河街観光夜市の入口に店を構える「福州世祖胡椒餅」です。30年以上の歴史を持ち、2018年・2019年にはミシュランガイド台北のビブグルマンにも選ばれました。夜市の入口に長い行列ができる光景は、台湾旅行の定番シーンとして知られています。

日本の胡椒餅ブームを牽引する2つの専門店

日本で胡椒餅を食べられるお店は増えていますが、ブームの中心にいるのは次の2店です。どちらも専用の窯を備え、焼きたてを提供している点が共通しています。

四ツ谷一餅堂(東京・四ツ谷)

日本で窯焼き胡椒餅の人気に火をつけた存在とされるのが、東京・四ツ谷の「四ツ谷一餅堂」です。特注の窯で一つずつ焼き上げるため、いつ訪れても焼きたてが味わえるのが強みです。食べログマガジンの2026年9月の記事では、胡椒餅は店内550円・テイクアウト540円と紹介されています。

週末は朝9時から営業し、台湾式の朝食を目当てにした行列ができることでも有名です。豆乳スープの「鹹豆漿(シェントウジャン)」と胡椒餅を合わせる人が多く、台湾の朝ごはん屋さんの雰囲気をそのまま楽しめます。営業日は限られており、月曜・木曜・日曜などが定休日となっているため、訪問前に公式アカウントで最新の営業日を確認しておくと安心です。

台湾老劉胡椒餅(吉祥寺・鎌倉・京都・仙台)

もう一つの代表格が、株式会社B級グルメ研究所(東京都武蔵野市)が運営する「台湾老劉胡椒餅」です。台湾で修業した「劉さん」から受け継いだ味を、300℃の専用特注窯で一つずつ焼き上げています。台湾から取り寄せたスパイスを使った肉あんが特徴で、テイクアウトは470円と紹介されています。

店舗 オープン日 所在地・アクセス
吉祥寺店 2022年11月1日 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-11-1
鎌倉店 2025年7月13日 神奈川県鎌倉市雪ノ下1-6-27(JR鎌倉駅から小町通り経由で徒歩約7分)
京都三条河原町店 2025年10月3日 京都市中京区河原町通三条下る大黒町33-2
仙台駅前店 — エスパル仙台内

2022年の吉祥寺出店から約3年で4店舗体制となり、京都三条河原町店は関西初出店として話題になりました。鎌倉や京都といった観光地への出店が続いている点を見ると、食べ歩き需要を意識した展開と考えられます。

比較項目 四ツ谷一餅堂 台湾老劉胡椒餅
価格の目安 店内550円/テイクアウト540円 テイクアウト470円
店舗数 1店舗(四ツ谷) 4店舗(吉祥寺・鎌倉・京都・仙台)
向いている楽しみ方 イートインで台湾朝食をゆっくり 観光や買い物の合間の食べ歩き

価格や営業時間は変わることがあるため、最新情報は各店の公式サイト・公式アカウントで確認してください。

なぜ今、胡椒餅が日本で受けているのか

胡椒餅の味の決め手になる黒胡椒の粒
Photo by Frank Cone on Pexels

胡椒餅は以前から台湾好きの間では知られた存在でしたが、ここ数年で一気に一般層へ広がりました。背景には次のような理由があると考えられます。

  • 台湾旅行気分を手軽に味わえる:パスポートなしで夜市の名物を体験できる「プチ旅行」感が支持されています
  • 500円前後で満足感が高い:ひとつで軽食になるボリュームがあり、物価高のなかでも手が伸びやすい価格帯です
  • 焼く瞬間がエンタメになる:窯に生地を貼り付ける実演は見ているだけで楽しく、写真や動画にも残したくなります
  • 片手で食べられる:観光地での食べ歩きと相性がよく、鎌倉や京都への出店が続く理由とも重なります

ちなみに、台湾スイーツや台湾カステラのブームを経て、日本では「台湾の日常食」への関心が段階的に深まってきました。胡椒餅は、甘いものからしょっぱい軽食へと関心が移ってきた流れのなかで注目された存在なのかもしれません。

胡椒餅をおいしく食べるコツ やけど注意と温め直し

焼きたての胡椒餅は、中の肉汁がかなり熱いので要注意です。実際に焼きたてを受け取ると、紙袋越しでも熱さが伝わってくるほどです。初めて食べる人は次の順番を意識すると、やけどせずに最後までおいしく味わえます。

  1. まず端を小さくかじって湯気を逃がす:いきなり真ん中にかぶりつくと肉汁が飛び出します
  2. 少し冷ましてから肉あんへ:受け取ってから1〜2分ほど待つと食べやすくなります
  3. 紙袋ごと持って食べる:底の肉汁が垂れにくく、服を汚しにくくなります

持ち帰った場合は、トースターで3〜4分ほど温めると皮のパリッと感が戻ります。表面が焦げそうなときはアルミホイルをかぶせるのがおすすめです。電子レンジだけで温めると皮がしんなりしやすいため、最後はトースターで仕上げると焼きたてに近い食感になります。

胡椒餅のよくある質問

Q. 胡椒餅の読み方を教えてください。

A. 中国語では「フージャオビン」と読みます。日本では「こしょうもち」と呼ばれることもありますが、もち米のおもちではなく、小麦粉の生地で肉あんを包んで焼いた食べ物です。

Q. 胡椒餅は辛いですか?

A. 黒胡椒のピリッとした刺激がありますが、唐辛子のような強い辛さではありません。ネギの甘みと豚肉のうま味が合わさり、辛いものが苦手な人でも食べやすい味です。

Q. 胡椒餅の発祥はどこですか?

A. 中国・福建省福州の「葱肉餅」がルーツとされています。台湾では1980年代から広まり、当初は「福州餅」と呼ばれていたものが、胡椒をたっぷり使うことから「胡椒餅」という名前で定着しました。

Q. 日本で胡椒餅が食べられるお店はどこですか?

A. 東京・四ツ谷の「四ツ谷一餅堂」と、吉祥寺・鎌倉・京都三条河原町・仙台に店舗を持つ「台湾老劉胡椒餅」が代表的です。

Q. 胡椒餅の値段はいくらくらいですか?

A. 専門店では1個あたり470〜550円ほどが目安です。四ツ谷一餅堂は店内550円・テイクアウト540円、台湾老劉胡椒餅はテイクアウト470円と紹介されています。

Q. 持ち帰ってから温め直す方法は?

A. トースターで3〜4分温めるのがおすすめです。焦げそうなときはアルミホイルをかぶせ、電子レンジを使う場合も最後はトースターで皮をパリッとさせると食感が戻ります。

焼きたての胡椒餅で台湾の夜市気分を味わおう

胡椒餅は、福州の葱肉餅から台湾の夜市名物へ、そして日本の専門店へと海を渡りながら愛されてきた軽食です。四ツ谷一餅堂の台湾朝食スタイルも、台湾老劉胡椒餅の食べ歩きスタイルも、窯から出したばかりの香ばしさを味わえるのが共通の魅力です。

近くに店舗がある人は、まず焼きたてのひとつを手に取ってみてください。鎌倉や京都へ出かける予定があるなら、散策のおともに胡椒餅を加えると、旅の思い出がひとつ増えるはずです。




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