出張先で靴下に穴が空いた、急な雨で替えのTシャツが必要になった。少し前まで、コンビニで服を買う場面といえばそんな「緊急事態」がほとんどでした。ところが2026年秋、その前提が大きく変わりつつあります。
2026年10月3日、時事通信は大手コンビニ各社がアパレル商品を強化し、来店理由を「緊急の買い足し」から「おしゃれ」へ広げようとしていると報じました。セブン‐イレブンは9月25日に人気アパレルブランドとの限定商品を発売し、ローソンも9月29日に新しい防寒小物を投入。先行するファミリーマートは自社ブランドの売上目標を300億円に掲げています。
この記事でわかること
- セブン‐イレブン×アンドエスティの全23アイテムと価格(660円〜5,390円)
- 10月23日発売のハローキティコラボ6アイテムの詳細
- ファミマ「コンビニエンスウェア」とローソン×無印良品・BRUNOの違い
- 各社がいま服に力を入れる背景と、買う前に知っておきたい注意点
コンビニアパレルが「おしゃれ目的」に変わった背景
実は、コンビニにとって衣料品は長く「置いておくだけの売場」でした。購入の中心は出張中のビジネスパーソンや、冠婚葬祭で黒い靴下を急いで探す人たち。デザインよりも「すぐ手に入ること」が価値だった時代です。
流れを変えたのがファミリーマートです。2021年、デザイナーの落合宏理さん(ブランド「FACETASM」を手がけてきた人物)と組んだ自社ブランド「コンビニエンスウェア」の全国販売を開始。靴下やハンカチがヒットし、「コンビニの服は仕方なく買うもの」というイメージを塗り替えました。
来店客数14カ月連続の前年割れという事情
各社が服に力を入れる理由のひとつは、来店客数の伸び悩みです。時事通信によると、日本フランチャイズチェーン協会の統計でコンビニ既存店の来店客数は14カ月連続で前年同月を下回る状態が続いているとのこと。食品だけでは足を運んでもらいにくくなっているなかで、「あのソックスを見に行きたい」という新しい来店動機をつくる狙いがあると考えられます。
若い世代を呼び込むという課題
セブン‐イレブンの場合、来店者のおよそ40%が50歳以上で、20代以下は約17%にとどまると報じられています。若い世代に人気のアパレルブランドと組むことは、来店客の年齢構成を広げるための一手と言えそうです。
セブン‐イレブン×ニコアンド・ローリーズファームの限定23アイテム

後発ながら一気に存在感を高めたのがセブン‐イレブンです。「niko and …(ニコアンド)」「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」を展開するアンドエスティと共同開発したファッション雑貨シリーズを、全国約22,000店で順次発売しています。セブン‐イレブン・ジャパンは衣料品の売上を2025年度の2倍に伸ばす目標を掲げていると伝えられています。
第1弾(9月25日発売)の主な商品と価格
| 商品名 | ブランド | 価格(税込) |
|---|---|---|
| タオルハンカチ | niko and … / LOWRYS FARM | 660円 |
| ラインショートソックス | niko and … | 715円 |
| ラインミドルソックス | niko and … | 715円 |
| ルーズソックス | LOWRYS FARM | 880円 |
| ラメソックス | LOWRYS FARM | 880円 |
| プリントエコバッグ | niko and … / LOWRYS FARM | 880円 |
| ロゴ入りフェイスタオル | — | 1,100円 |
| ミニマフラー | — | 1,650円 |
| ストラップ付きミトン | — | 2,970円 |
| クルーネックスウェット ブラック | — | 3,278円 |
このほか、サテンシュシュやヘアゴムのセット(各660円)、アウターTシャツ ブラックなど、第1弾は合計17アイテムです。ニコアンドのラインソックスは23〜28cmの男女兼用で、ホワイト×レッド、ブラック×ブルーの2色展開。ローリーズファームのルーズソックスとラメソックスは23〜25cmで、平成ファッションの再ブームを意識したような顔ぶれになっています。
第2弾(10月23日発売)はハローキティとのコラボ
10月23日からは、サンリオの「ハローキティ」をデザインした6アイテムが加わります。
- ハローキティ リブソックス:990円
- ハローキティ 総柄ソックス:990円
- ハローキティ 刺繍ルーズソックス:1,100円
- ハローキティ バックプリントTシャツ:3,190円
- ハローキティ プリントクルーネックスウェット:4,378円
- ハローキティ バックプリントパーカー:5,390円
パーカーの5,390円はシリーズ最高価格です。コンビニの棚に5,000円台の服が並ぶこと自体、数年前には想像しにくかった光景と言えそうです。
ファミマ「コンビニエンスウェア」がデザイナー起用で先行した理由

コンビニアパレルの先駆者であるファミリーマートは、2026年で展開5周年を迎えました。数字を見ると、その強さがよくわかります。
- ソックスシリーズの累計販売数は3,000万足を突破(2025年11月発表)
- 今治タオルハンカチの累計販売数は1,000万枚を突破(同)
- 定番のラインソックスは税込429円と、手に取りやすい価格
- 2026年度の売上目標は300億円(前年度比1.5倍)
ちなみに、2022年の時点ではソックスの累計販売数は700万足でした。約3年で4倍以上に伸びた計算になり、公式リリースでも「SNSで話題のファミマソックス」と紹介されるほどの定番商品に育っています。
試着室つきの旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」
2026年7月には東京都港区に旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」がオープンしました。コンビニとしては珍しく試着室を備え、約300点のアイテムを扱っています。2026年8月には昭和の大横綱「千代の富士」とのコラボソックスを発売するなど、話題づくりも積極的です。
ローソンは無印良品とBRUNOの二本立て

ローソンは自社でデザインを抱えるのではなく、強いブランドと組む戦略をとっています。2026年4月からは店内の「無印良品」コーナーで衣料品の品数と売場を拡大しました。
9月29日発売のローソン限定商品
| 商品 | 価格(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| 無印良品 足なり直角靴下(ローソン限定) | 店頭で確認 | ローソンの看板カラーのブルーとピンクをあしらったミディ丈 |
| BRUNO 2WAYカラーカフ手袋 | 2,200円 | 親指と人さし指を出してスマホ操作が可能 |
| BRUNO ダブルフェイスマフラー | 2,860円 | 表裏で色と質感が異なるリバーシブル |
無印良品の靴下は、無印良品を導入している全国約13,000店のローソンで発売されています。キッチン家電で知られるBRUNOがローソンと組むのは今回が初めてです。
3社のコンビニ服を比べると見えてくる違い
| 項目 | セブン‐イレブン | ファミリーマート | ローソン |
|---|---|---|---|
| ブランド | ニコアンド/ローリーズファーム(アンドエスティ) | コンビニエンスウェア(自社) | 無印良品/BRUNO |
| 開始時期 | 2026年9月25日に本格展開 | 2021年 | 無印は2026年4月に売場拡大 |
| 価格帯の目安 | 660円〜5,390円 | ラインソックス429円〜 | BRUNO小物2,200円〜2,860円 |
| 強み | 若年層に人気のブランド力 | 実績と品数、旗艦店 | 定番品の安心感とコラボ |
実際に3社の発表商品を並べてみると、意外と見落とされがちな共通点があります。3社とも「服そのもの」よりソックスやハンカチ、マフラーといった小物が中心です。サイズ選びの失敗が少なく、ついで買いしやすい価格帯から攻めるという点では共通しています。
買う前に知っておきたい注意点
- 店舗によって品ぞろえが違う:全商品が全店に並ぶとは限りません。売場の広さによって扱う品数が変わります
- 限定品は早めに動く:ハローキティなどのコラボ品は、発売直後に品薄になる可能性があります
- 試着できない店が大半:実際に袖を通せる店舗、つまり試着室があるのは旗艦店などごく一部です。スウェットやパーカーはサイズ表記を確認してから選ぶと安心です
- 季節商品は入れ替えが早い:マフラーやミトンなど秋冬向けの商品は、シーズン終盤に入れ替わることがあります
コンビニアパレルのよくある質問
Q. セブンイレブンのニコアンド商品はいつから買えますか?
A. 第1弾17アイテムは2026年9月25日から、第2弾のハローキティコラボ6アイテムは10月23日から、全国のセブン‐イレブンで順次発売されています。
Q. セブンのアパレル商品の価格帯はどのくらいですか?
A. タオルハンカチやシュシュの660円から、ハローキティ バックプリントパーカーの5,390円まで(いずれも税込)です。ソックスなら715円〜1,100円の範囲で選べます。
Q. ファミマのラインソックスはいくらですか?
A. 定番のラインソックスは税込429円。コラボ商品は価格が異なる場合があります。
Q. ローソンで無印良品の服は買えますか?
A. 無印良品を導入しているローソン(全国約13,000店)で、靴下などの衣料品を扱っています。ただし店舗によって品ぞろえは異なるため、気になる商品は店頭での確認が確実です。
Q. コンビニで試着はできますか?
A. 一般的な店舗では試着室はありません。ファミリーマートの旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」(東京都港区)のように、試着室を備えた店舗は限られています。
Q. なぜコンビニ各社が服に力を入れているのですか?
A. 既存店の来店客数が14カ月連続で前年を下回るなか、「おしゃれ」を新しい来店動機にし、若い世代の客を増やす狙いがあると報じられています。
近くのコンビニで秋冬の小物を探してみよう
セブン‐イレブンの限定23アイテム、ファミマの定番ソックス、ローソンの無印良品とBRUNO。2026年秋のコンビニは、少し前とはまったく違う顔を見せています。まずは身近な店舗の衣料コーナーをのぞいて、ソックスやハンカチのような手軽な小物から試してみるのがおすすめです。10月23日のハローキティコラボは発売日が決まっているので、狙っている人は発売日の早い時間帯に店頭を確認してみてください。
