家電量販大手のノジマが、アルバイトとして働く大学生2人を2026年10月1日付で店長に任命することが明らかになりました。読売新聞の報道によると、同社で学生が店長に就くのは初めてのケースです。予算管理や店員の採用といった権限を持ち、店長手当も支給されるなど、待遇と責任は社員の店長と同等とされています。
「学生アルバイトが本当に店長を務められるの?」「授業との両立はどうするの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。実はノジマは、これまでも年齢や雇用形態にとらわれない人材登用で何度も話題になってきた会社です。
この記事でわかること
- 学生店長に就任する2人のプロフィールと配属店舗
- 学生店長に与えられる権限・待遇・勤務時間
- ノジマで学生アルバイトが店舗スタッフの約半数を占める実情
- 80歳超の雇用やメーカー派遣に頼らない接客など、ノジマ独自の人材戦略の歴史
- 学生店長という働き方のメリットと、両立のために知っておきたい点
ノジマの学生店長 就任する2人と配属店舗
まずは報道で明らかになっている事実を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 就任日 | 2026年10月1日付 |
| 人数 | 大学生2人(いずれも大学3年の男子学生) |
| 1人目 | 専修大学経営学部3年の小林映斗さん(21歳) |
| 1人目の配属先 | 神奈川県川崎市の小型店(約30人が勤務) |
| 2人目の配属先 | 神奈川県平塚市の小型店 |
| 権限 | 予算管理・店員の採用など |
| 待遇 | 店長手当を支給、待遇と責任は社員と同等 |
| 勤務時間の目安 | 週40時間程度(小林さんの場合) |
小林映斗さんはどんな学生なのか
川崎市の店舗を任される小林さんは、将来は経営者になることを目標にしている学生です。営業の経験を積むため、2024年から別の店舗でアルバイトを始め、販売実績と接客姿勢が評価されて今回の登用につながりました。勤務歴は約2年。社会人でいえば入社2年目にあたる期間で店長を任されるのは、正社員でもかなり早い部類に入ります。
経営学部で学んでいる理論を、約30人のスタッフが働く現場で実際に試せる。本人にとっては、ビジネスの教科書を読むのとは比べものにならない密度の経験になるでしょう。
2人目の学生店長は平塚市の店舗へ
もう1人も大学3年の男子学生で、神奈川県平塚市の小型店で店長に就きます。名前や大学名は報道では明らかにされていません。どちらも本社のある神奈川県内の小型店という点は、本部のサポートが届きやすい立地を選んだとも考えられます。
大学生の勉強と仕事 学生店長の権限・待遇・勤務時間

今回の登用で注目されているのは、「名ばかり店長」ではなく実際の権限を持つ店長だという点です。
予算管理と採用の権限
学生店長には、店舗の予算管理と店員の採用という、店長業務の中核となる権限が与えられます。売上目標に対する進捗の管理、スタッフのシフト組み、新しい仲間の面接まで担うことになるため、アルバイトリーダーの延長とはまったく異なる役割です。
店長手当つきで待遇は社員と同等
店長手当が支給され、待遇や責任は社員の店長と同じ扱いになります。ちなみにノジマでは、パート雇用の店長がすでに6人在籍していますが、学生の店長は今回が初めてとなります。雇用形態ではなく実力で役職を任せる流れが、パートから学生へと広がりました。
授業のない日を中心に週40時間程度
小林さんは、大学の授業がない日や授業の終了後を中心に、週40時間程度勤務する予定です。週40時間は、フルタイム社員の法定労働時間とほぼ同じ水準。大学3年の後期は専門ゼミや就職活動の準備が重なる時期でもあり、時間の使い方がかなり問われる働き方になりそうです。
学生アルバイトが店舗スタッフの約半数を占めるノジマ
今回の登用の背景を理解するうえで欠かせないのが、ノジマの店舗を支える人員構成です。報道によると、ノジマの店舗では約1万人が働いており、そのうち学生アルバイトがほぼ半数を占めています。
つまり、店頭で接客しているスタッフのおよそ2人に1人が学生という計算になるでしょう。学生の力なしには店舗運営が成り立たない構造だからこそ、優秀な学生にキャリアの道筋を示すことは、採用や定着の面でも大きな意味を持ちます。
- 学生側のメリット — 在学中にマネジメント経験を積め、就職活動でも具体的な実績として語れる
- 会社側のメリット — 現場を熟知した人材を早期に登用でき、アルバイト全体の意欲向上につながる
- 店舗スタッフのメリット — 年齢の近い店長がいることで相談しやすい職場づくりが期待できる
80歳超も雇用するノジマの人材戦略の歴史
「学生店長」は突然生まれたアイデアではありません。ノジマは古くから、年齢や肩書きにとらわれない人材活用で知られてきました。
1959年に相模原で創業したデジタル家電専門店
ノジマのルーツは、1959年に神奈川県相模原市で創業した町の電器店です。現在はデジタル家電と携帯電話の販売を柱に、国内で約250店舗を展開しています。2025年1月にはパソコンブランドVAIOの買収を完了(買収額は約112億円)し、販売だけでなくものづくりにも事業を広げました。
雇用の年齢上限を撤廃しシニアも積極活用
ノジマは定年後も最長80歳まで働ける再雇用制度を導入し、さらに2021年10月には雇用の年齢上限を撤廃しました。日本経済新聞によると、「80歳を超えても働き続けたい」という従業員の声が多かったことがきっかけで、新規採用でも80歳以上を受け入れるようになっています。
シニアの経験を生かす一方で、10月からは20代前半の学生に店長を任せる。一見正反対の取り組みに見えますが、どちらも「年齢ではなく本人の意欲と実力で任せる」という同じ考え方に立っていることがわかります。
メーカー派遣に頼らない自社スタッフの接客
意外と知られていないのが、ノジマはメーカーから派遣される販売員に頼らず、自社スタッフが複数メーカーの商品を比較して提案する接客を重視している点です。特定メーカーに偏らない説明ができるスタッフを育てるには、現場での経験と教育が欠かせません。学生アルバイトにも接客の実力が求められる環境だからこそ、今回のように販売実績で評価される学生が生まれたと考えられます。
学業と両立する学生店長の働き方で知っておきたいポイント

学生店長の登用は前向きなニュースとして受け止められていますが、実際に働くうえではいくつか押さえておきたい点も少なくありません。
| 観点 | 期待できること | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| キャリア | 在学中に管理職経験を積める | 就職活動の時期と業務の繁忙期が重なる可能性 |
| 学業 | 経営学などの学びを現場で実践できる | 週40時間程度の勤務と授業・ゼミの両立 |
| 職場 | 年齢の近い店長で相談しやすい雰囲気 | 年上のスタッフへの指示・育成の難しさ |
| 会社 | アルバイト全体の意欲向上・採用力の強化 | 本部による継続的なサポート体制が重要 |
学生店長が成果を出せるかどうかは、本人の努力だけでなく、エリアマネージャーなど本部側の支えにも左右されます。10月1日からの運営がどうなるのか、今後の続報にも注目が集まりそうです。
これから家電量販店でのアルバイトを考えている学生にとっては、「接客で結果を出せば学生のうちに店長を目指せる」という新しい選択肢が生まれたことになります。応募を検討する場合は、シフトの柔軟さや研修制度、学業との両立支援についても面接で確認しておくと安心です。
年上スタッフとの人間関係 学生店長に求められる伝え方とコミュニケーション

約30人が働く店舗では、学生店長より年上のパートスタッフや、長く勤めているベテランも一緒に働くことになります。20代前半で店長を務めるうえで大きなテーマになるのが、立場と年齢が逆転した相手への伝え方です。
指示ではなく「理由」と「お願い」をセットにする
一般に、年上の部下を持つ若手管理職は「命令口調にならないか」「経験の浅さを見透かされないか」と悩みやすいと言われています。シフト変更や売り場の配置替えを頼む場面では、結論だけでなくなぜそうするのかを短く添え、「〜していただけると助かります」とお願いの形で伝えると、相手も納得して動きやすくなります。
ベテランの経験を「教えてもらう」姿勢
家電の接客は、商品知識だけでなく、お客さまの暮らしに合わせた提案力が問われる仕事です。長く売り場に立ってきたスタッフの知恵を積極的に聞き、良い接客は朝礼などで具体的に共有する。そうした小さな積み重ねが、年齢差のあるチームの信頼関係につながっていきます。
学生のうちからこうした伝え方を意識して磨いておくことは、店長に限らず、アルバイトリーダーやゼミ・サークルの運営、就職後の職場でもそのまま役立つスキルになるでしょう。
ノジマの学生店長に関するよくある質問
Q1. ノジマの学生店長はいつから就任しますか?
A. 2026年10月1日付で就任します。同社で学生が店長になるのは初めてのことです。
Q2. 学生店長は何人いますか?どこの店舗ですか?
A. 大学3年の男子学生2人です。神奈川県川崎市の小型店と、神奈川県平塚市の小型店にそれぞれ配属されます。
Q3. 学生店長にはどんな権限がありますか?
A. 予算管理や店員の採用など、店長業務の中核となる権限です。
Q4. 学生店長の給料や待遇はどうなりますか?
A. 店長手当が支給され、待遇と責任は社員の店長と同等とされています。具体的な金額は公表されていません。
Q5. 授業との両立はどうするのですか?
A. 川崎市の店舗を担当する小林映斗さんは、授業のない日や授業の終了後を中心に、週40時間程度勤務する予定と報じられています。
Q6. ノジマではアルバイト以外の非正社員の店長もいますか?
A. はい。パート雇用の店長が6人在籍しています。学生の店長は今回が初めてのケースです。
Q7. ノジマはほかにどんな人材登用をしていますか?
A. 2021年10月に雇用の年齢上限を撤廃し、80歳を超える人も新規採用しています。年齢や雇用形態にとらわれない登用を続けている会社です。
大学生アルバイトの新しいキャリアを応援しよう
ノジマの学生店長は、2026年10月1日に川崎市と平塚市の2店舗でスタートします。予算管理や採用の権限、社員と同等の待遇という本格的な店長職を、大学3年生が担う初めての試みです。
80歳超の雇用から学生店長まで、年齢ではなく実力で任せるノジマの姿勢は、人手不足に悩む小売業界全体にとってもひとつのヒントになりそうです。近くの店舗に立ち寄る機会があれば、店頭で働く学生スタッフの接客にも少し注目してみると、新しい発見があるかもしれません。今後の続報も、ノジマの公式ニュースリリースで確認できます。
