2026年6月12日、パロマ瑞穂スタジアムで行われた第110回日本陸上競技選手権大会の女子5000m決勝で、積水化学所属の山本有真選手がラスト100mの逆転劇を演じました。14分59秒89の自己ベストで初優勝を飾り、愛知・名古屋2026アジア競技大会の代表に内定しています。
- 女子5000m決勝のレース展開と逆転劇の詳細
- 山本有真選手のプロフィールと競技歴
- 田中希実選手との直接対決の背景
- SNSでの反響とアジア大会への展望
女子5000m決勝の全貌 ラスト100mの逆転劇
第110回日本選手権の女子5000m決勝は、スタート直後にアクシデントが発生しました。矢田みくに選手(エディオン)、永長里緒選手(三井住友海上)、清水里名選手(ノーリツ)の3名が接触し転倒。しかし3選手とも半周ほどで集団に復帰し、レースは続行されています。
中盤以降は田中希実選手(豊田自動織機)が先頭に立ち、5連覇に向けてペースを握る展開になりました。山本有真選手は集団の中で力を溜め、残り4周あたりから徐々にポジションを上げていきます。
勝負を決めたのはラスト100m。田中選手が依然として先頭を走る中、山本選手が外側から一気にスパートをかけました。フィニッシュラインの手前わずか数メートルで田中選手を捉え、14分59秒89でゴール。田中選手は15分00秒93で2位、わずか1秒04差の激闘でした。実際にスタジアムで観戦していたファンからは「最後の直線で鳥肌が立った」という声が多数上がっています。
| 順位 | 選手名 | 所属 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 山本有真 | 積水化学 | 14分59秒89 |
| 2位 | 田中希実 | 豊田自動織機 | 15分00秒93 |
| 3位 | 斎藤みう | 15分11秒30 |
山本有真のプロフィールと名城大学時代の輝き
山本有真選手は2000年5月1日生まれ、愛知県豊田市出身の26歳です。中学時代から陸上を始め、光ヶ丘女子高等学校では800mや1500mでインターハイに出場しました。全国高校駅伝にも2年連続で出走しています。
転機となったのは名城大学への進学です。1年生から主力として全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝に出場し、在学中の全7大会で優勝を経験しました。そのうち6回で区間賞を獲得するという圧倒的な成績を残しています。
4年次には日本インカレ5000mで初優勝。国体成年女子5000mでも日本学生歴代2位の15分16秒71で大会新記録を樹立しました。ちなみに、名城大学は女子駅伝の名門として知られ、山本選手はその黄金期を支えた中心的存在でした。
| 時期 | 主な成績 | 記録 |
|---|---|---|
| 高校(光ヶ丘女子) | 全国高校駅伝2年連続出場 | – |
| 大学(名城大) | 全日本・富士山駅伝7大会全優勝 | 区間賞6回 |
| 大学4年 | 国体5000m大会新 | 15分16秒71 |
| 実業団(積水化学) | 日本選手権5000m初優勝 | 14分59秒89 |
積水化学での成長と14分台への到達

2023年4月に積水化学女子陸上競技部へ加入した山本選手は、実業団1年目こそ大学時代の疲労もあり記録面では大きな飛躍に至りませんでした。しかし2年目以降、トレーニング環境の充実とフィジカル面の強化が実を結び始めます。
実は、山本選手が14分台に到達したのは今回の日本選手権が初めてです。大学時代の自己ベスト15分16秒71から約17秒の更新幅は、実業団での3年間の積み重ねを物語っています。日本女子の5000m歴代記録で14分台は数えるほどしかなく、14分59秒89は日本歴代6位に相当する好記録です。
積水化学の野口英盛監督は、山本選手のスピード持久力向上に重点を置いた練習を組んでいたとされています。1500m的なラストスパートの切れ味と5000mを戦い抜くスタミナの両立が、今回の逆転劇につながりました。
田中希実との直接対決と4連覇女王を止めた意味

田中希実選手は日本選手権5000mで4連覇中(第106回から第109回)を達成していました。2025年の東京世界陸上でも日本代表として活躍した、日本中長距離界のエースです。その田中選手を破っての初優勝は、山本選手にとって大きな意味を持ちます。
意外と知られていませんが、田中選手と山本選手は年齢が近く(田中選手は1999年生まれ)、大学時代から互いを意識し合う関係でした。田中選手が世界舞台で実績を積む一方、山本選手は駅伝を中心に国内で着実に力を蓄えてきました。
今回のレースでは、田中選手がレース中盤からペースを支配し、従来のパターンならそのまま逃げ切る展開でした。しかし山本選手のラスト100mのスプリント力は、田中選手の想定を上回っていたようです。フィニッシュ後、田中選手が山本選手を称えるシーンも印象的でした。
SNSの反響と地元愛知での声援

レース直後からSNSには「山本有真」がトレンド入りし、陸上ファンの間で大きな反響を呼んでいます。「ラスト100mの切れ味がすごい」「名城大OGの底力を見た」「地元・愛知で勝つのがドラマチック」といったポジティブな声が目立ちました。
現地で観戦した地元ファンによると、最後のバックストレートで山本選手が前に出た瞬間、スタンド全体がどよめいたそうです。「愛知出身の選手がこの瑞穂で勝つ光景に感動した」という投稿も多く見られます。
山本選手自身もレース後に「愛知出身として、いいところを見せたい」とコメント。地元開催のアジア大会への強い意欲をにじませました。
アジア大会への展望 地元で迎える最大の舞台

2026年のアジア競技大会は、愛知・名古屋で9月19日から10月4日まで開催されます。日本選手権の会場パロマ瑞穂スタジアムは、アジア大会のメイン会場の一つでもあります。
アジア大会派遣設定記録15分14秒79を約15秒上回って内定した山本選手。14分59秒89という記録はアジア全体で見てもトップクラスであり、地元開催のアドバンテージも加われば、メダル獲得の可能性は十分にあるでしょう。日本選手権から約3か月、山本選手がどこまで記録を伸ばしてくるかにも注目が集まります。
よくある質問

山本有真選手の自己ベストは何ですか?
2026年6月12日の日本選手権で記録した14分59秒89が自己ベストです。日本女子歴代6位に相当します。それ以前の自己ベストは大学時代の15分16秒71でした。
田中希実選手は何連覇していたのですか?
田中希実選手は日本選手権5000mで4連覇(第106回から第109回)を達成していました。今大会で5連覇を目指しましたが、山本選手に逆転され2位に終わっています。
アジア大会の派遣設定記録はいくつですか?
女子5000mのアジア大会派遣設定記録は15分14秒79です。山本選手の14分59秒89はこれを約15秒上回り、余裕を持って内定を獲得しました。
山本有真選手の出身大学はどこですか?
名城大学(愛知県名古屋市)の出身です。在学中に全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝で全7大会優勝、うち6回で区間賞を獲得しました。
第110回日本選手権はどこで開催されましたか?
パロマ瑞穂スタジアム(愛知県名古屋市瑞穂区)で、2026年6月12日から14日の3日間にわたって開催されました。
女子5000m決勝で転倒アクシデントはありましたか?
スタート直後に矢田みくに選手(エディオン)、永長里緒選手(三井住友海上)、清水里名選手(ノーリツ)の3選手が接触し転倒しましたが、いずれも半周ほどで集団に復帰しレースを完走しています。
山本有真選手のさらなる飛躍を見届けよう

愛知県出身の山本有真選手が、地元の声援を力に変えて14分台の自己ベストで日本選手権初優勝。田中希実選手との1秒04差の激闘は、2026年の陸上シーンを代表する名勝負となりました。
9月のアジア大会では、同じ愛知の地でさらに進化した走りを見せてくれるでしょう。ランニングシューズやGPS付きランニングウォッチを手に、山本選手の走りに刺激を受けてジョギングを始めてみるのも良いかもしれません。今後の試合スケジュールは日本陸上競技連盟の公式サイトでチェックできます。

